「学び」へつながる「遊び」

 

近年、幼児期の遊びを学びにつなげていくことの重要性が叫ばれています。

 

積み木・ブロックを積んだり、箱や段ボールを組み合わせてなにかを作る活動は、それが大きくて複雑な物になってくると、なかなか一度で上手くは出来なくなります。しかし、自分のイメージを膨らませ、手段や方法を模索し試行錯誤を繰り返し、時には友達と競いながら根気よく作り上げていく「遊び」では、その喜びや楽しさは格別なものとなってきます。

 

このような多様で可塑性に富む活動には、「目標・意図・意欲・主体性・試行錯誤・創意工夫・仮説・粘り強さ・友達との競争や対立・話し合いや協働」など学びの本質といえるものがすべて含まれています。

 

幼児期の豊かな「遊び」の経験を経て、やがて自分がしていることを少し冷静に見つめ、どうすればいいのか?と振り返るようになり、自ら目標を持ち、工夫をこらして、強い意志を持って達成しようとする「学び」の姿が出てくることになります。

 

子ども達が成長したあとも、このような幼児期の遊びの経験が「こころの原風景」として、困難な状況を支え、前を向く勇気を与えてくれます。 

 

私たち親や保育者は、子ども達の発達段階を踏まえて、今の豊かな幼児教育の世界を作っていかなければなりません。

 

 福井県私立幼稚園・認定こども園協会 

会長  徳本 達之